どうやったら 手に入る?
いっそ 全部ぶち壊してしまえ。
・−*この気持ちに 嘘はつきたくない*−・
「ラビが負傷したんですって!」
リナリー・リーが慌てた風に 神田に言う。
医務室に居るから 付き添ってて!と神田に言うと リナリーは遠くへ走っていった。
「――――――何で オレに・・・っ!」
自分でも理解し難い感情に押されながら 神田は医務室に向かった。
+++
「何だ ユウか。」
「悪かったな オレで#」
開口一番 眼帯の少年――――ラビは言った。
折角来てやったのに、と 神田は腕を組みながら壁に寄りかかる。
「冗談 冗談。―――いずれ来るだろ アイツも。」
「―――――アイツ?」
少し目を細め ラビを睨む。
しばし沈黙を流し ラビはゆっくり神田に目をやり 微笑する。
「アレン。」
「――――――っ!」
ラビを睨みながら 神田はギリ、と歯軋りした。
――――――何でコイツは こんなに堂々と言える・・・?
そんな神田を見ながら ラビは面白そうに笑った。
「らしくないね ユウ?v」
「・・・何が。」
「ハハッ。珍しいvユウがヤキモチ焼くなんてv他人がどうであれ、関係なかったんじゃないの?」
「っテメェ・・・っ!」
ガシッ、と神田はラビの胸倉を掴んだ。
はぁ、とラビは溜め息をつきながら 神田を見据え、口を開く。
「当たるなよ、人に。昔っからそうだもんな、ユウは。
・・・そんなにオレとアレンが仲良くするのが気に食わない?」
「―――――――っ!!」
「好きなら押し倒したらイイんさ。ユウの性格上 出来ない事じゃないだろ?
――――――オレにだって出来たんだ。思ってるより弱いぜ、アイツ。」
ハハッ、とラビは笑う。
その度に 苛々した感情が神田の心に纏わり付いた。
壊したかった。
幼馴染に食って掛かるほど 余裕の無い自分を。
「それ以上言ってみろ。マジぶん殴るぞ ラビ・・・っ!」
「殴りたきゃ殴れば?オレだって嫌さ。別に悪い事してねぇのに お前に睨まれて?
だからって引く気はねぇさ。自分の気持ちに嘘なんてつかねぇよ。」
「――――――っ。」
「ユウとは違ってね。――――だからって 虫が良すぎるんじゃね?
アレンを抱けないから リナリーを抱いて?
変に期待させんなよ。リナリー 本気でユウのこと好きだぜ?」
「・・・・・・・・・っ!!」
神田が何か言おうとした時 バン、とドアが開き 遮られる。
今にも泣き出しそうな顔を向けながら 少年はラビの元に駆け寄った。
「何やってるんですか 神田?!――――ラビ 大丈夫でした?」
「ん あぁ、大丈夫さ。まったく・・・心配性だな、アレン。」
良かったぁ、と胸をなでおろすアレンに苦笑した後 ラビは優しくアレンの頭を撫でる。
――――――神田に微笑を浮かべながら。
ダンッ、と壁を叩き 半ば乱暴にドアを開け
神田は部屋を出る。
「いたっ。か、神田?」
治療用具を持って戻ってきた リナリーに思いっきりぶつかったが
神田は知らぬフリをして 廊下を歩く。
「何なのかしらね、一体。・・・。ラビ 今手当てし直すわ。」
「ん 悪い・・・。」
神田の身を案じるリナリーの健気な姿に 密かにラビは心を痛めるのだった。
+++
「・・・くっそ・・・・っ!」
日が沈むか沈まないかの頃。
神田は一人 鍛錬場で己を鍛えていた。
何かが 必要だった。
心を無に出来る 何かが。
けれど
そんなことで 心を無に出来るほど 神田は素直ではなく
結局は 己の感情と葛藤する。
「一体どうしたんですか?」
暗闇に少年の白髪が浮かぶ。
「神田 今日変ですよ?」
全ての原因である―――アレン・ウォーカーは すっ、と入室する。
――――――テメェが原因なんだよ
苛立ちを極力抑え 神田はアレンを睨む。
「何が。」
「ラビ 怪我してたのにあんな態度とって・・・。リナリーに謝りもしないで。
何をそんなに カリカリしてるんですか?」
「――――――――っ!!」
神田の中で 何かが切れた。
何でコイツに こんなこと言われなきゃならない――――?
全ての原因はコイツにあるのに――――!
ダンッ
「・・・・つぅ・・・・・っ!」
アレンの肩を引っ掴むと 思いっきり壁に押し当てる。
――――叩きつける、という表現の方が適切だったが。
「何を急に・・・・・っ!」
「テメェに何が分かる?オレのこと何も見てねぇくせに 知った風な口きくなよ。」
「ちょ・・・っ神・・・・っ!!」
「オレのこと 見もしねぇで・・・・!!」
歯を食いしばりながら 神田はずっ、とアレンの胸に顔を埋めた。
いつも見せることのない神田の様子に アレンは戸惑う。
「オレが・・・どんな想いでアイツを抱いたと・・・っ!」
「神田・・・っ?」
「ラビよりも・・・オレの方が先にお前と会ったのに・・・なのに何で・・・っ!」
「――――――――っ!?」
そこでようやく神田が何を考えていたのか悟ったアレンは はっ、と息を呑んだ。
―――――二者択一?
ラビと神田―――――?
「お前がどう思っていようが知ったことじゃない。ただ ぶち壊してやる。」
「―――――――?!」
神田の空気が変わったのを感じ アレンはびくっ、と身体を振るわせた。
――――のもつかの間
次の瞬間 意識がぼやける。
「ちょ、神・・・田・・・っん・・・っ!!」
「―――――――っ」
舌で歯をなぞり アレンの舌を捕らえる。
必死に抵抗するアレンに物ともせず 神田は十分に口内を犯す。
「はぁ・・っ・・・神・・・待っ・・・・っ///」
酸素を欲するアレンは 何か言おうとするが あっさりと神田に妨げられる。
口の合間から吐息と共に甘い声が漏れる。
神田の脳内を直接刺激した。
理性が飛ぶ。
抑制力などもう既に 残っていない。
「――――――神田・・・っ!」
「――――――――っ。」
ドン、と神田を突き飛ばし アレンは体勢を整える。
肩で息をしながら 赤く熱を帯びた顔を神田に向け、
「はぁっ・・・はぁっ・・・こんなの・・・っ!」
「――――――――。」
つぅ、とアレンの頬に 雫が伝う。
「はぁ・・・はぁっ・・・満足ですか?」
「――――――っ!」
「こんな醜態 ラビにだって見せた事無いです――――っ///」
「へぇ――――?」
「壊れた僕を見れたでしょう?もう 満足ですか?」
涙目になりながらも 神田を見据える。
整っていない呼吸。紅顔を自分に向けて。
その姿が更に神田を駆り立てた。
こんな程度で 終わらせない。
全て 何もかも 粉々に―――――
二度と立ち直れないくらいに ぶち壊してやる。
「足りねぇって言ったら?」
枯れ切った心を曝け出す。
醜い欲と嫉妬にまみれた自身を。
「―――――相手しますよ?一回くらい。」
「――――――――っ?!」
「勘違いしないで下さい。あなたに恨まれているラビの為ですよ。」
「――――こんなことして アイツが開放されると思ってんのか?」
「――――――――っ?!」
ぐっ、とアレンを押し倒し 不適に笑い言う。
「――――――後悔すんなよ?」
☆あとがき★
《長文で書く10のお題》より、一つ消化♪
えー・・・Dグレで初BLです。いやはや。久しぶりにBL書きましたよ。
結局アレンはラビを選んだことになっちゃうけど・・・この話は
あくまでも神アレ主張です。苦笑
リナリーが少し可哀想ですが・・・;;
黒いラビも悪くないですねvv笑
・・・神田とアレンのこの先を書けないのは
私が意気地なしだからですよぅ。涙