よりにもよって 風邪をひくなど
・・・最低だ。最近。
**~人は風邪をひくと少々素直になれる生き物らしい~**
「ゴホッ・・・ゴホゴホッ・・・ふぅ・・・。」
咳をするのがここまで辛いものとは思ってもみなかった。
疲れを含めた脱力感に襲われる。
護廷十三隊・十番隊隊長 日番谷冬獅郎は激しい咳の中
羽織を肩にかけ 書物を読み進めていた。
四番隊の奴らは 寝てろ寝てろ、と 口五月蝿い。
・・・が、四番隊隊長 卯ノ花烈にまで注意されると さすがに自分が十番隊隊長とはいえ
言うことを聞かないわけにはいかなかった。
『日番谷隊長。治癒能力に関して長ける私たち四番隊の言うことは 全て従っていただきます。
あなたの その風邪が完治するまでの間だけは。』
「ちくしょー・・・あいつら卯ノ花にチクリやがって・・・##」
「日番谷隊長。お食事を持って参りました。」
まずい。
上体を起こしているだけで 四番隊の雷が落ちる。
ゴホゴホッ、と三・四回咳をし 素早く布団の中に入り 日番谷は
「入れ。」
「失礼します。」
「・・・・・・?」
聞き覚えのある声に 日番谷はふっ、と襖に目をやる。
整った物腰。大きく開けた胸元。垂れ下がった金色の髪。
「具合の程はいかがですか?――――――日番谷隊長。」
「・・・何してんだ?松本;;」
入ってきた女性――――――それは紛れもなく自分の部下――――――十番隊副隊長 松本乱菊 その人だった。
「何って・・・隊長のお食事を運びに?」
「そうじゃなく!何で!十番隊のお前が 四番隊の仕事何かやってんだ?!」
あぁ そういうことですか、と乱菊は微笑むと 日番谷の元まで寄り、正座した。
「頼まれたんです。四番隊の方に。人手不足のようですよ。執務室は隊長のお部屋の奥にありますから・・・
私が其方に向かうのは察しがついたようで。ついでに、と。」
「いくら人手不足だからってなぁ・・・副隊長にやらせるか?普通・・・。」
「いいんですよ、私は。・・・他の隊長方や副隊長方の倒れてるらしいですよ。相変わらず 浮竹隊長も
この時期になると急に悪化なさるようで・・・四番隊はてんやわんやみたいです。」
「はぁ・・・あ、松本。楽にしていいぞ。」
深く溜め息をついた後 日番谷はきちっ、と座っている乱菊に声を掛けた。
失礼します、と一礼し 乱菊は足を崩した。
すっ、とお粥の入った碗を 日番谷に手渡す。
「・・・また粥かよ;」
「我侭言わないで下さい。・・・病人なんですから。」
「そんな大袈裟なモンじゃねぇ。」
そう言いながら 日番谷はお粥に口をつけた。
が。
「あっつ・・・!」
「あら?隊長 猫舌でしたっけ?」
「いや。普通に茶ぁ 飲んでるの、知ってるだろ。松本。・・・半端ねぇ 熱さだぞ。・・・ほら。」
散蓮華に少量の粥をのせ 乱菊の前に差し出す。
「いえ。隊長で無理なら 私はもっと無理です;;」
「あれ。お前 猫舌だったか・・・・あっつ・・・。」
ふぅふぅ、と冷ましながら 粥を食す日番谷を見 乱菊は思わず笑みをこぼす。
『こうして見てると まるっきり子供なのになぁ・・・。』
「・・・隊長?」
「あ?」
「私 もう少し此処に居てもイイですか?」
「構わん。・・・どうせ仕事ないだろう。」
手を休めず乱菊の問いに返した日番谷に 再度愛らしさを感じ微笑する。
「お見舞いに来たくても いつも襖の前に見張りが居るんですもの。
・・・隊長がやんちゃなばかりに。」
「やんちゃって・・・っ!////あのなぁ、松本。考えてもみろ。熱下がって元気になってきた頃に
まだ布団に潜ってろ、だぞ?退屈過ぎんだよ。」
『・・・子供だなぁ。』
クスクス、と日番谷の言葉に笑いながら 乱菊はふっ、と心の中で呟いた。
「・・・ねぇ、隊長?」
「何だ。」
「・・・何時になったら 名前、呼んでくれるんですか?」
「――――――っ!///な、何を急に・・・ごほっ、ごっほ・・・っ。」
乱菊の言葉に焦り噎せ返った日番谷の背中を摩りながら 水の入った湯呑みを手渡した。
「・・・ごっほ・・・何 言い出すんだ、松本っ///」
「だって隊長・・・“何時か 何時か”で全然呼んでくれないじゃないですか・・・。」
「あー、もぅ・・・っ何時か、な。」
「・・・はぁい・・・。」
乱菊の少し膨れっ面を見 日番谷は苦笑した。
しばしの 沈黙。
食後の服用をする日番谷に 乱菊は三度目の問いかけを投げつける。
「・・・隊長?」
「・・・今度は何だ。」
「・・・こんなに大きな部屋に一人って・・・淋しくないですか?」
「・・・誘ってんのか?」
「違いますっ!///ただただ がらん、として。何か・・・淋しくないですか?」
「んー・・・まぁ・・・副隊長格の部屋もこれくらいの大きさなんじゃないのか?」
「・・・ま、そうですケド。・・・私は 淋しいですよ。」
「―――――――っ?」
一呼吸置き 乱菊の声のトーンが下がったのが気にかかり 日番谷は乱菊を見る。
「松本?」
「執務室は・・・それ程広くはないのに・・・隊長がいらっしゃらないから やけに静かで
・・・淋しいです・・・。」
「――――――松本っ・・・。」
「私 淋しくて死んじゃうかも。・・・なーんてv」
“死んじゃうかも”の乱菊の一言に日番谷の肩はビクッ、と震えたが すぐにいつもの調子に戻ったので
ほっ、と胸を撫で下ろした。
「さて、と。では 私はコレを片付けて仕事に戻りますね。」
「あぁ。有り難う。」
「いえ。」
ニコ、と微笑んで立ち上がり、襖に手をかけた乱菊に 日番谷は口を開いた。
「――――――明日には。」
「――――――っ?」
「明日には 意地でも復活して お前の隣に座っててやる。――――――乱菊。」
一瞬目を見開いた後 嬉しそうに
「えぇ。待ってます。」
乱菊は 微かに頬を染めながら微笑んだ。
カタン・・・
襖の向こうで足音が小さくなったのを確認すると かぁっ、と頬を紅潮させ
恥ずかしそうに 口を手で覆うと、日番谷は
「もう絶対言ってやんねぇ・・・////」
がらん、とした空間に 仄かに乱菊の香水の香りが残っていた。
☆あとがき★
BLEACHからヒツラン、です。。
乱菊サンは猫舌だょ、きっと。斬魄刀だって“灰猫”だしv
・・・私が書くとどうしてこう・・・子供まで“誘うとかそぅいう言葉を
吐くんでしょうねぇ。苦笑 日番谷クンってばまだ若いのに・・・苦笑
ぃや!年なんて関係ない!!体格差も関係ない!(いい加減にしろ、自分#)
・・・羽々は護廷十三隊に入るとしたら、十番隊か十三番隊に入りたいです。
浮竹隊長のような優しい人、傍に居ると嬉しいんですけどv(夢見。殴)
でもぶっちゃけると、彼氏の理想図は一護です。カッコ好いじゃん?一護vv