時々 不器用な自分を呪いたくなる。
+:+~St.Valentine~+:+
「また失敗〜?!」
夜の厨房にリナリーの悲鳴が響く。
周りには何かがこげた匂い。
彼女の前の鍋には 真っ黒な異物。
「もう 明後日なのに・・・。」
ここ一週間 彼女はずっと夜中の厨房に籠もりっぱなしである。
なぜなら
二日後が 乙女最大のイベント
バレンタインデーだからである。
「自分がこんなに不器用だとは 思わなかったわ;;」
ジェリーに毎回毎回 頭を下げて厨房を借りている為、いい加減成功させたかった。
昨日 起きてきてジェリーは少し彼女に教えてくれたが 頭で分かっていても
技術が追いつかないのである。
「明日で決めないとね・・・。」
洗い物を済ませ 周囲を綺麗に片付け厨房の電気を消す。
教団のみんなが目を覚まさないよう リナリーは静かに自室に戻った。
+++
「目の下 すっごいくまだよ?何したのさ?」
翌朝 疲れきって座っているリナリーに一人の少年が声をかけた。
「ラ、ラビ?!あ、いえ・・・何でもないの。
ただ少し 寝付けなくて。」
本当に、とリナリーは軽く微笑んだ。
わずかに訝しげな表情を浮かべたが ラビはすぐにそう?と笑い返した。
「ほらラビ 行くぞ!」
「おぅ!・・・じゃぁね、リナリー。」
「うん。行ってらっしゃい。気をつけて。」
「行ってきまーすっ!」
元気良く手を振り ラビは仲間と任務に向かった。
それを微笑んで見送ったリナリーは ラビの姿が見えなくなると
はぁ・・・、と 溜め息をついた。
「あんま気負うなよ。」
「神田・・・?!」
「アイツは お前からのモノだったらどんなに不恰好でも 喜ぶと思うぜ。
・・・単純だからな。」
「・・・見てたの?///」
「一回だけな。」
恥ずかしそうに顔を伏せるリナリーの肩を 軽く叩くと
「気負うなって。今夜がまだあるじゃねぇか。」
「うん・・・。」
「なら 任務行くぞ。ラビとが良かっただろうが 今日はオレとだ。」
「えぇ。」
今夜やれるだけやってみよう。
そう心に決め コートを羽織ると リナリーは神田と共に教団を出た。
+++
「・・・やっぱり駄目だったわ・・・。」
味は普通。少し苦味が残る。
問題は 形。
「どうしてこう・・・不器用なのかしら・・・。」
泣きたくもないのに うっすらと涙が浮かんでくる。
はぁー・・・と溜め息を漏らしながら 机に突っ伏した。
「ちょ、リナリー!どうしたのさ?!具合でも悪い?!」
聞き覚えのある声に がばっ、と起き上がる。
「わ、悪い;;ノックしても返事なかったから勝手に入っちゃって・・・
って何でお前泣いてんのよ?!」
「な、何でもないの・・・っ。欠伸しただけよ。」
「リナリー・・・?」
目を細め 優しく見つめるラビに動揺を隠せず
リナリーは不自然に髪を梳く。
「・・・これは?」
すっ、と目の前の包みに手を触れたが リナリーはばっ、とそれを遮る。
「違うの、コレ。違うの・・・っ!」
「ちょっと・・・どうしたのさ、マジで・・・?!;;」
泣きながら訴えるリナリーを前に 慌てながらも
ラビは精一杯気遣う。
「リナリー・・・っ。」
「・・・・ったの。」
「ん?」
「貴方にね チョコレート、作ったの。でもね 私すっごい不器用で
全然上手く作れなくてね・・・結局駄目だったの・・・っ。私・・・っ!」
必死になっている彼女の涙を ラビはすっ、と拭う。
そして フッ、と微笑むと
「やっぱりそのチョコ オレのだったんだvv」
「・・・っ他に誰がいるのよ・・・っ。」
「んー?ユウとかアレンとか?・・・でもオレので良かった♪v」
「・・・失敗作だもの・・・。見た目 カッコ悪いし、味は苦いし・・・最悪の出来だわ。」
ラビは すっ、と包みを手にする。
ちょっと・・・、と抵抗するリナリーに構うことなく ラビは丁寧に包みを開ける。
中のチョコレートが顔を出した時 リナリーは恥ずかしそうに下を向いた。
「何で?上手いじゃん。」
「・・・食べない方がイイわ。・・・倒れても知らないわよ。すっごく苦いんだから。」
「ふーん・・・?」
一粒パクッと口に放り込むと ラビはそのままリナリーに口付ける。
「んん・・・・・っ!////」
リナリーの抵抗も虚しく あっさりとラビの意の儘にされる。
ラビの舌と伝い リナリーの口内のほろ苦い感覚が広がる。
リナリーの口内に移したそれが 完全に溶け切るまで ラビは幾度となく舌を絡めた。
「―――――――っ。こんなに甘いのに?v」
「――――――――っ/////」
今までにないくらい顔を真っ赤にし リナリーはラビを見る。
ラビは にこっ、と微笑むと
「見た目とか味とか気にするのは分かるケドさ。オレは何貰っても嬉しいよ?
―――――だってリナリーはさ オレのこと好きなんでしょ?」
「―――――うん・・・////」
「オレ それだけで十分嬉しいよ?」
くいっ、と顎を持ち上げ 今度は優しく口付けた。
「さてっと・・・お昼食べに行こうか。」
「あ、じゃぁ許可証・・・。」
「じゃーん★☆」
ピラ、と コムイの確認印の押された紙を ラビは得意気に見せた。
「行くだろ?」
「――――――えぇ!」
嬉しそうに微笑んだリナリーを見て ラビも釣られて笑う。
「支度して。外で待ってる。」
チョコレートの入った包みを持って ラビはドアまで行くと
「ありがとね、リナリー。」
優しい微笑みを浮かべ ラビはリナリーに囁いた。
パタン・・・
ドアと閉じ しゃがみ込むと パカっ、と箱を開ける。
再び一粒口にして ラビは
「頑張ってたもんなぁ、アイツ。―――――リナリーらしい味だvv」
楽しそうに一人 微笑んだ。
―――――――外見とかそんなの気にしないよ。
中身が全てだから。
キミがオレを好き。
オレがキミを好き。
オレらの関係って それだけで十分じゃない?
オレにとって キミが最高の贈り物。
★あとがき☆
バレンタイン企画・ラビリナお届けします。。
初〜vv「ホットミルクと〜」でラビを友情出演させたら
ラビリナに萌えてしまいましてvv(何;
とにかくラビをカッコ好く・・・と意識しました。
書きながら自分、狂ってました(阿呆)。苦笑
でも途中で神田出して勇気付けたり。神リナ。
・・・初心忘るべからず。笑