私の前では やけに素直で
言うこと何でも 聞いてくれるの―――――――
*・* 髪 *・*
「おっ。神田が帰ってきた。」
いつも通り怠そうに コーヒーを啜りながら 科学班班長、リーバー・ウェンハムは
はた、と気付く。
「リナリーが気付いたら 喜ぶだろうなぁ・・・。」
「コムイ室長が五月蝿くなりますね・・・。」
科学班の面々は それぞれの不安を口にする。
幸い今 此処には コムイもリナリーも居ない。
「ん?何?僕がどうかした?」
バサッ、と書類が舞ったかと思うと 中からコムイ・リーが顔を出した。
何で居るの?!という皆の空気に構うことなく んー?と目の前のモニターを見入る。
「神田くん 帰ってきちゃったの?!」
帰ってきちゃった。
明らかに 神田の帰りを喜んでいる言葉ではなかった。
「あー・・・またリナリーが帰って来なくなるじゃないかぁ・・・。」
コムイが呟いたと同時に リナリーが入ってきた。
皆 慌ててモニターを見たが タイミング良く 神田はもう建物に入ったのか
画面には 映っていなかった。
「どうしたの?みんなして。何か変よ?」
「あ、いや。何でもねぇよ?」
リーバーはリナリーに笑顔を向け 弁明する。
が 次の瞬間 あっさりとリーバーの努力は無駄になった。
カチャ・・・
ドアが開いた先に 一斉に視線が集まる。
「な、何だ・・・。」
「神田!v」
むっ、と神田を見るコムイに 神田は不敵に笑い、駆け寄るリナリーに
「ただいま。」
「お帰りなさい。・・・怪我なかった?」
「あぁ。雑魚ばっかだったからな。」
嬉しそうに微笑むリナリーに和んでいた面々も
背後でコムイが戦闘体勢に入ったのを見て 慌てて止めにかかる。
早く確認書を作れ、とコムイに一言言い 神田は部屋を出て行った。
「・・・兄さん。私も もうあがってもいい?」
明らかに 疲れからの休みではないことは コムイにも当然分かっていた。
駄目、と言いたいものの 目の前でリナリーに微笑みられたコムイは
「いいよいいよ。ありがとね、リナリー♪」
有り難う、ともう一回微笑み リナリーはたたっ、と部屋を出た。
しばしの 沈黙。
「リーバーくん・・・。」
「はい?」
「・・・リナリー・・・朝まで帰って来ないね・・・。」
「そぅ・・・っスね・・・;;」
「また 今日も僕部屋一人だから・・・コムリンJr.持って行っても・・・。」
「それはやめてください。」
ずばっ、と結論を述べられ コムイはさらにしゅん、となるのだった。
+++
「神田―?入ってもいいー?」
コンコン、とリナリーは少し遠慮がちに 神田の部屋のドアを叩いた。
返事はない。
「神田―?入るわよー?」
そーっ、とドアを開け 中を覗くと ベッドの上に腰掛ける一人の影。
「何よ。返事くらいしてよね。」
「ん、あぁ。・・・悪い。」
「手伝おうか?」
「あぁ、頼む。」
神田から包帯を受け取り 起用に彼の身体に巻きつけていく。
「珍しいわね。貴方が晒しを巻くのに梃子摺るなんて。」
「・・・右肩が上手く上がらねぇ。」
ピタ、とリナリーの手が止まる。
しまった、という気持ちを含め 神田は溜め息をつく。
「何それ?早く医務室!!」
「もう遅ぇだろ、時間。」
「関係ないでしょ!」
包帯をバッ、と置くと リナリーはベッドの上からガバッ、と立ち上がる。
その細いリナリーの腕を 神田はがしっ、と止め
「いいから。」
「だって・・・!」
「大丈夫だ。・・・お前が巻いてくれるなら問題ない。」
真っ直ぐ目を向けられ リナリーは渋々包帯を手に取る。
「―――――相変わらず綺麗だよねー。」
「何が。」
「ん?神田の髪。」
背中で包帯を留め終わったリナリーは 嬉しそうに神田の髪に手櫛を入れる。
いっつも一つ結びだもんね、と言いながら 二つに分けたり上に上げたりと
楽しそうに神田の髪をいじる。
「黒髪ってイイね。何か男の人ってカンジがする。カッコ好いじゃない?
色っぽくて。・・・私も染めようかなぁー。」
「・・・いい。」
「え?」
「お前は 今のままの方がいい。」
アレンやラビが神田の髪を褒めるのを 彼はいつも目一杯拒絶したが
リナリーの場合は素直に聞き入れる。
リナリーは そんな神田の気持ちをいつも嬉しく思っていたのだった。
「藍色だって 綺麗じゃねぇか。」
「ん・・・有り難う///」
ストレートに褒められ リナリーは赤面する。
くるっ、と振り向き 神田は
「何 照れてんだよ。」
「いつも そんなコト言わないじゃない///」
「お前 いつも言ってんだぞ。」
もう、と呟きながら リナリーは神田の髪をほどく。
「リナリー。」
「ん?―――――――っん・・・・っ/////」
不意打ちを突かれたリナリーに 神田は深く口付けする。
最初は力の入っていたリナリーの身体も 自然と力を抜く。
「――――――っ不意打ち禁止って 言ったじゃない///」
「さぁな。覚えがねぇ。」
「急なんだから いつも///」
「タダで 髪に触ろうって方が 虫が良すぎるんじゃねぇの?」
「何よ、それ。初めて聞いたわ。」
フッ、と微かに笑い 優しくリナリーの顔に手を触れ自身の方に寄せると
先ほどとは違う
ただ触れるだけの キスをした。
☆あとがき★
神田・・・好きですねぇVV
何かストーリー運びめちゃくちゃですが 許して下さい。。
ほのぼの・・・?でしょうか?苦笑
神田のキャラが壊れてます。てかコレが私の中での神田クンです。爆
タイトルが「髪」なのにバックが包帯で少し暗いね、と思った方。
・・・御免なさい。ぴったりくる素材、見つからなかったんです・・・。。